相続登記の義務化とは|期限は3年・過料10万円以下、やることを順番に解説
- 相続登記の義務化の内容と期限
- 期限に間に合わないときの「相続人申告登記」
- 手続きの流れと、かかる費用
相続登記の義務化とは
相続登記とは、亡くなった人の名義になっている土地や建物を、相続した人の名義に変える手続きです。これまでは任意でしたが、2024年4月1日から義務になりました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 始まった日 | 2024年(令和6年)4月1日 |
| 期限 | 不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内 |
| 遺産分割で取得した場合 | 遺産分割が成立した日から3年以内 |
| 2024年4月1日より前に相続を知った不動産 | 2027年(令和9年)3月31日まで |
| 怠った場合 | 正当な理由がなければ、10万円以下の過料の対象 |
出典:法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」、松山地方法務局「相続登記の申請義務化について」。2026年10月14日に確認。
過料はどんなときに科される?
法務省によると、過料は次のような流れで判断されます。
出典:法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」。2026年10月14日に確認。
法務省は「正当な理由」の例として、次のようなものを挙げています。
- 相続人がとても多く、戸籍集めや相続人の把握に時間がかかる
- 遺言の有効性や、遺産の範囲について争いがある
- 申請する義務のある人が重い病気である
- DV被害を受けて避難していて、生命や身体に危険がある
- お金に困っていて、登記の費用を払えない
期限に間に合わないときは「相続人申告登記」
遺産分割の話し合いがまとまらないなど、すぐに相続登記ができないときのために、「相続人申告登記」という簡単なしくみがあります。法務局に「自分が登記名義人の相続人です」と申し出ると、相続登記の義務を果たしたことになります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申し出できる人 | 相続人。1人でもでき、ほかの相続人の分をまとめて代理で申し出ることもできます |
| 主な必要書類 | 申出書、自分が相続人であることがわかる戸籍の証明書など |
| 登録免許税 | かかりません |
| 申し出の方法 | 法務局の窓口・郵送のほか、オンライン(「かんたん登記・供託申請」)でもできます |
出典:法務省「相続人申告登記について」。2026年10月14日に確認。
相続登記の手続きの流れ
出典:法務省「戸籍法の一部を改正する法律について(令和6年3月1日施行)」、法務省「所有不動産記録証明制度について」、旭川地方法務局「所有不動産記録証明制度が令和8年2月2日から運用開始」。2026年10月14日に確認。
戸籍を集めたら、法務局の「法定相続情報証明制度」を使うと便利です。相続人の関係を一覧にした証明書(法定相続情報一覧図の写し)を、無料で必要な数だけ出してもらえます。銀行の手続きなどで、戸籍の束を何度も出し直す手間が減ります。
相続登記にかかる費用
| 費用 | 内容 |
|---|---|
| 登録免許税 | 不動産の価額(原則として固定資産税評価額)の0.4% |
| 免税措置 | 2027年3月31日までの登記で、不動産の価額が100万円以下の土地などは非課税 |
| 戸籍などの取得費用 | 市区町村の手数料。通数によって変わります |
| 所有不動産記録証明書 | 検索条件1件・1通あたり、書面請求1,600円、オンライン請求(郵送交付)1,500円 |
| 司法書士への報酬 | 依頼する場合。事務所によって違うので、事前に見積もりを取りましょう |
出典:国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」、法務局「相続登記の登録免許税の免税措置について」、法務省「所有不動産記録証明制度について」。2026年10月14日に確認。
相続人が多い、戸籍が古くて読みにくい、遺産分割でもめている、といった場合は、司法書士に相談するのが安心です。
2026年4月からは住所変更の登記も義務に
2026年4月1日からは、登記されている人の住所や氏名が変わったときの変更登記も義務になりました。変更から2年以内に申請する必要があり、正当な理由なく怠ると5万円以下の過料の対象になります。2026年4月1日より前に変わっていて、まだ登記していない場合は、2028年3月31日までに申請します。
出典:法務省「住所等変更登記の義務化について」。2026年10月14日に確認。
よくある質問
Q親が亡くなったのは10年前です。今からでも義務の対象ですか?
Q兄弟で話し合いがまとまらず、期限に間に合いそうにありません。
Q実家を売る予定です。相続人申告登記だけで売れますか?
Q自分で相続登記をすることはできますか?
相続登記を済ませたあとの売り方は、相続した実家を売る流れで解説しています。空き家のまま放っておくリスクは、空き家を放置するリスクをご覧ください。
まとめ
参考:法務省(相続登記の義務化Q&A)/法務省(相続人申告登記)/松山地方法務局/法務省(戸籍の広域交付)/法務省(所有不動産記録証明制度)/法務局(法定相続情報証明制度)/国税庁(登録免許税)/法務局(免税措置)/法務省(住所等変更登記の義務化)